高ストレス者への面接指導、「本人が希望しないと実施できない」は本当?会社側の誤解と正しい対応・記録の残し方2026年版
公開日: 2026年9月21日
結論から述べる。「本人が希望しないと面接指導は実施できない」は正しい。しかし「会社から声をかけてはいけない」は完全な誤解だ。 法律が定めているのは、あくまで「本人の申出(自発的な意思表示)」が実施の要件であること。会社が本人に面接指導の受診を勧める「勧奨」は適法であり、むしろ安全配慮義務の観点から積極的に行うべき対応とされている。この誤解が放置されると、高ストレス者が声もかけられないまま放置され、メンタルヘルス不調や休職・退職のリスクが高まる。本記事では、人事・総務担当者が押さえるべき勧奨の正しい方法と記録の残し方、そして運用をシステムで管理する方法を整理する。
目次
- そもそも面接指導の実施フローを整理する
- 会社側にありがちな5つの誤解
- 正しい勧奨の声のかけ方:3つのポイント
- 記録の残し方:最低限の管理項目
- 面接指導の管理を支援するクラウドの選び方:取り組みの型と機能比較
- FAQ:人事担当者がよく迷う5つの質問
- まとめ:「言えない」より「正しく言う」仕組みを作る
そもそも面接指導の実施フローを整理する
労働安全衛生法第66条の10に基づくストレスチェック制度では、高ストレス者と判定された従業員が本人から申し出た場合に限り、産業医等による面接指導を事業者が実施しなければならない。ここで重要なのは、「申出」は本人の意思によるという点だ。
ただし厚生労働省の指針(ストレスチェック制度の実施マニュアル)は、事業者が高ストレス者に対して面接指導の申出を「勧奨」することを認めており、推奨している。勧奨は義務ではないが、安全配慮義務(労働契約法第5条)の履行の観点から、多くの企業が実施すべき対応と解釈されている。
フローの全体像:
- ストレスチェック実施
- 結果を本人へ通知(事業者ではなく実施者が直接通知)
- 高ストレス者に対して事業者が「面接指導を受けることを勧める」(勧奨)
- 本人が希望する場合、面接指導の申出
- 事業者が産業医等と面接指導を実施
- 産業医等が事業者に意見提出
- 事業者が就業上の措置を検討・実施
会社側にありがちな5つの誤解

誤解1:「声をかけると本人のプライバシーを侵害する」
高ストレスと判定された従業員へ「面接指導を受けてみませんか」と勧奨すること自体は法的に問題ない。ただし、第三者に聞こえる場所での声かけや、メールの誤送信によるプライバシー漏洩には注意が必要だ。勧奨は個別・非公開の形で行うこと。
誤解2:「申出がなかった=会社の対応義務は終了」
申出がなくても、その後に本人の状態が悪化した場合、「なぜ勧奨しなかったのか」と問われるリスクがある。勧奨を実施したかどうかの記録が、安全配慮義務の履行証明として機能する。
誤解3:「面接指導の申出を断られたら記録は不要」
これは危険な誤解だ。勧奨した日時・方法・本人の反応はすべて記録に残すことが望ましい。申出があった場合だけでなく、申出がなかった場合も記録を保持することが、後の法的リスク管理につながる。
誤解4:「ストレスチェックの結果を人事部門が見てもよい」
ストレスチェックの個人結果は、本人の同意なく事業者(人事・上司等)へ提供することは法令で禁止されている(労働安全衛生法第66条の10第2項)。高ストレス者の情報を人事担当者が直接参照する運用は違法になりうる。結果は実施者(産業医・外部機関等)が管理し、本人同意がある場合のみ事業者に情報提供できる。
誤解5:「面接指導後の措置を産業医に任せれば義務を果たした」
産業医が意見書を提出した後、就業上の措置(時間外労働の制限・部署変更等)を検討・実施するのは事業者の義務だ。産業医の意見を記録に残したうえで、措置の実施または不実施とその理由を文書で管理する必要がある。
正しい勧奨の声のかけ方:3つのポイント
① 場所と手段を選ぶ
個別面談・個別メール(誤送信防止が徹底された方法)・社内ポータルの個人通知など、本人だけに届く手段を使う。廊下や大部屋でのやり取りは避ける。
② 圧力・強制と受け取られないよう配慮する
「受けなければ不利益がある」と受け取れる表現は避ける。「ご自身のことを大切にしていただくための機会です。希望があればいつでも申し出てください」といった受診の自由意志を尊重する文言が適切だ。
③ 期限を明示し、複数回に分けて通知する
一度の通知で申出がない場合でも、一定期間後(例:2週間後)に再度案内を送ることが推奨される。その際も記録を残す。
記録の残し方:最低限の管理項目
| 記録項目 | 内容の例 | 保存期間の目安 |
|---|---|---|
| 勧奨の実施日時 | ○年○月○日 個別メールにて案内 | 5年(安全衛生関係書類) |
| 勧奨の手段・文面 | テンプレートを使用・添付参照 | 同上 |
| 本人の回答 | 「申出あり」「希望しない意思表示」「返答なし」 | 同上 |
| 面接指導の実施日・担当産業医 | 該当者のみ | 5年 |
| 産業医の意見書 | 原本保管(電子でも可) | 5年 |
| 就業上の措置の内容 | 時間外30時間以内・部署配慮等 | 5年 |
記録の管理を紙や個別のExcelで行っている場合、担当者交代時の引き継ぎ漏れや紛失リスクが高い。クラウド上で一元管理し、操作ログが残る仕組みが法令対応の面でも有利だ。
面接指導の管理を支援するクラウドの選び方:取り組みの型と機能比較
面接指導の運用をシステムで支援するツールは、取り組みの型によって特徴が異なる。以下は代表的な型と主な機能の比較だ。
| 取り組みの型 | ストレスチェック実施 | 集団分析・クロス分析 | 面接指導管理・記録 | 健診データ連携 | 多言語対応 | 初期費用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 健康経営オールインワン型(例:Welly Compass) | ◎ 57問/80問・13言語 | ◎ 勤怠・健診とのクロス分析 | ◎ 申出管理・措置記録まで一元化 | ◎ CSV/AI入力 | ◎ 13言語 | 0円〜 |
| ストレスチェック特化型 | ◎ | △ 単項目分析中心 | △ 面接指導記録は別管理 | × | △ 一部言語 | 有料が多い |
| HR統合型(労務管理中心) | △ 外部連携必要 | △ | △ | △ | △ | 有料が多い |
| 紙・Excel運用 | △ 実施は可能 | × 集計に工数大 | × 紛失・引継ぎリスク | × | × | 0円 |
Welly Compass は、ストレスチェックの実施から高ストレス者のフォロー・面接指導の記録・就業上の措置の管理まで一貫して運用できる健康経営クラウドだ。東京大学アントレプレナープラザ発の issin株式会社が提供し、ISO/IEC 27001:2013 の情報セキュリティ認証を取得。法人・自治体160以上の実績があり、アプリ利用者は17万人規模に達している。
特に多言語対応(13言語)は、外国籍従業員が多い製造業・物流業などで勧奨の文書を母国語で送付する際に有効だ。ストレスチェックプランは初期費用0円・50名未満は50,000円から始められる(詳細は料金プランページを参照)。
FAQ:人事担当者がよく迷う5つの質問
Q1. 高ストレス者への勧奨は義務ですか?
A. 義務ではありません。ただし厚生労働省の実施マニュアルでは「勧奨することが望ましい」とされており、安全配慮義務の観点から実施しない場合でもその理由や代替措置を記録しておくことが推奨されます。
Q2. 勧奨メールを送ったら、高ストレス者だと本人に伝わりますよ。それでも問題ない?
A. 「あなたは高ストレスです」と明示する必要はありません。「ストレスチェックの結果をもとに、希望者を対象に面接指導の案内をしています」という表現で全体案内と組み合わせる運用も可能です。ただし高ストレス者のみに送る場合は、本人が高ストレスと推定できるため、プライバシーへの配慮として個別・非公開の送付が前提です。
Q3. 面接指導を「希望しない」と言った従業員が後に体調を崩した場合、会社の責任は?
A. 勧奨を行い、その記録があれば安全配慮義務の履行として評価されやすくなります。一方、勧奨記録がない場合は「会社は知っていたはずなのに何もしなかった」と判断されるリスクがあります。記録は必ず残してください。
Q4. 2028年からストレスチェックが50人未満にも義務化されると聞きました。今から準備すべきですか?
A. 2025年5月に改正労働安全衛生法が成立し、2028年4月から従業員50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化される方針です(それまでは努力義務)。義務化後は面接指導の運用も必要になるため、今から記録の仕組みを整えておくと移行が容易です。受検対象の判定ツール(無料)も活用できます。
Q5. Welly Compassは面接指導の申出受付から記録まで対応していますか?
A. 対応しています。ストレスチェック実施・集団分析・高ストレス者の管理・健診データ連携・勤怠データとのクロス分析をクラウド上で一元管理できます。初期費用0円から始められるため、まずは公式サイトで機能をご確認ください。
まとめ:「言えない」より「正しく言う」仕組みを作る
高ストレス者への面接指導をめぐる最大のリスクは、誤った解釈によって「何もしないこと」が常態化することだ。勧奨は適法であり、記録は義務の履行証明になる。重要なのは、声のかけ方・記録の方法・措置の追跡を一貫した仕組みで管理することだ。
Welly Compassは、ストレスチェックの実施から面接指導のフォローアップ・就業措置の記録まで、法令対応に必要な一連のプロセスをクラウドで完結させる。初期費用0円・13言語対応・ISO認証取得済みという安心感とともに、人事担当者の運用負荷を大きく下げる選択肢として検討してほしい。
→ Welly Compass の料金プランを見る
→ まずは公式サイトで機能を確認する
関連記事
- ストレスチェック義務化2028年|50人未満の準備手順とツール選び方
- ストレスチェック面接指導の流れ7ステップ【2026年版】
- ストレスチェック罰則とは?未実施リスクと対策【2026年版】
- ストレスチェックが「意味ない」理由と形骸化を防ぐ活用法【2026年版】
- 従業員へのウェアラブル睡眠デバイス費用補助の設計方法|健康経営度調査2026年新設設問対応の選び方
実際の画面で確かめる(登録不要)
就業判定・意見書の作成・面談記録までを、実際の画面で確認できます。
自社で使えそうなら、Welly Compass は10名まで無料で始められます(クレジットカード不要)。
